赤穂浪士が吉良邸に討ち入りを果たした日であり、【忠臣蔵の日】として制定されている12月14日に、映画『身代わり忠臣蔵』の完成報告会見を実施しました!
会場には、吉良上野介・孝証の2役を演じた主演のムロツヨシ、そして大石内蔵助を演じた永山瑛太含む、四十七士が登場。雪降る演出の中、全員が劇中衣装に身を包み、大ヒット祈願を込めて掛け声で鼓舞する圧巻の幕開けとなりました。ともに原作・脚本の土橋章宏と河合勇人監督も登壇し、完成した本作への心境や撮影エピソードについて語りました。(以下、ムロ、永山、土橋、監督)
マスコミだけが集まった会場を見渡し、ムロは「一般のお客様がいて実力を発揮できるタイプなので…今お芝居よりも緊張して挑んでおります(笑)どんな状況でも100点を目指して頑張ります!全力で空回りをお届けしたいと思います!」と会場を沸かせました。永山は「今日はよろしくお願いします」と挨拶すると、永山が前日12月13日にお誕生日だったため、ムロから「お誕生日おめでとうございます!」とお祝いされ、温かい拍手が送られました。
まずは本作の企画の成り立ちについて、原作者の土橋は「忠臣蔵は日本の代表的なコンテンツですが、現代の価値観で撮ったらどうなるのかと思った。若い世代では忠臣蔵自体を知らない方も多いので、誰が観てもわかる作品にしたかった。そして、赤穂側の視点の作品は多いが、今回は吉良側の視点でやろうと思った。いろんな見方ができるので、討ち入りは本当に避けることはできなかったのか、といろんな観点から探りたかった」と明かし、「新しい時代劇を生み出していきたいと思って、この作品はみんなでチャレンジ精神満載で挑んだ。僕的にはムロさんの大ファンなのでいろんなムロさんをずっと見れるので、嬉しかったです」と喜びとともに、本作への想いを語りました。
原作を読んだときの印象を「斬新なアイディアで、新しい忠臣蔵が生まれるのではと期待した」と監督。また、キャスティングについて、「吉良の2役はムロさん以外ありえず、ムロさんありきで脚本を作った。ムロさん対する大石役も瑛太さんだと必然的に決まって、お二人ともほぼ当て書きした」と意外な事実を明かしました。
それを受けて、ムロはオファーを受けて「やりがいと同時に、誰もが知っている物語を今
この時代に作る意味だったり、若い世代の皆さんにお届けしたいと思ったので、その使命
の方が考えさせられた」と胸の内を明かしました。
一方、永山は「多くの先輩方が重厚な作品を撮られてきた中で、今の時代に必要な作品なんじゃないかと思った。今のムロさんが確実に忠臣蔵に爪痕を残すなと思って。いい意味でも悪い意味でも…」とコメントすると、ムロから「絶対悪い方隠した方がいいって」と即ツッコミ。「チャレンジしていく、型を破っていく時代劇は面白い。現場でもムロさんのパワーが全開で、誰も止められないと思った。天才という言葉だけでは片付けられない、ムロさんの人間性が作品に映っていた」とムロを絶賛し、「映画では20年ぶりの共演だったので感慨深い部分もあったし、ムロツヨシという俳優がこの時代に必要なんだと思った」と共演への熱い想いを語りました。
その永山の熱い想いを受けて、ムロも「こうして作品で再会して、お芝居を通して、いろんな想いをぶつけられるのは嬉しかった」と想いを語り、久しぶりの共演について「緊張しましたが、2人で酔っ払って歩くシーンでは、変わらないものもありつつ、またカッコよくなったなと…。うらやましいというよりは憧れです(笑)」と振り返りました。再び永山からも「ムロさんは色気がある。出来上がった作品を観て、改めていい男だったんだと思った」と自然と褒め合い合戦が始まり、ムロが「文字でみたら男2人が褒め合っててどうなの!?」と笑いで打ち止めとなりました。
そして、劇中衣裳について触れ、中でも特殊殊メイクをしているムロは朝早い準備の苦労を語り、「次回はもう特殊メイクはしないと。次は剃ると言っていたんですが、大河でも特殊メイクすることになり、まさかの同じ特殊メイクチームの方がいらっしゃって…長い付き合いでした」と意外な縁を感じるエピソードも明かされました。
続いて、マスコミからの質問コーナーになり、大変・印象的だったシーンを尋ねられると、ムロは「吉良上野介・孝証の2人が会うシーンがあるんですが、楽しく演じました。思った以上に面白くなったので見応えがあるシーンかなと思います」と振り返り、「吉良上野介は悪い人間というのがどこまでだったのか、加減が難しくて監督と話し合った」と明かしました。
そして、苦労したエピソードとして、「去年の京都は寒くて…まさか1月に本物の川に入るとは思わなかった」と暴露。「スタッフの方が気を使って、テントサウナを用意してくれて。川から上がってサウナへ入るんですが、サウナから出た時の方が寒かった。衣装濡れていたので、死ぬほど寒かった」と会場から爆笑を起こしながら、当時の良心との葛藤を語りました。
また、共演シーンで印象に残っていることを尋ねられると、永山は「ムロツヨシ、いいなって、心から何かが溢れそうなシーンがあった。2人で一緒にご飯食べに行っても、正面で向かい合うことがないので、そういう(向かい合って演じる)シーンが生まれたのは良かった」と話し、続いてムロも、「自分の正体や想いを明かすシーンも、お芝居という会話を成立させていくのが心地よくて印象に残ってます。20年前はどうやって生き延びるか相談し合っていたので、そういう想いものせられたシーンでした」とお互い感慨深く、共演シーンを振り返りました。
最後、監督は「たくさんの方々に支えられた作品ですが、吉良・大石の2人のリーダーシップを描いた作品としても観ていただきたい。いかに吉良と赤穂の遺恨を収めるのか、ぜひ楽しんでください」と語りました。
土橋は「こんな忠臣蔵は今まで見たことがないなと思います。みんなで作り上げた作品で、気楽にたくさんの方に観ていただきたい」とコメント。
永山は「忠臣蔵のファンの方にとっては異色な作品かもしれないけど、こういった忠臣蔵もあったかもしれないと楽しめるかと思います。小学生でも観れると思うので幅広い世代の方々に大きなスクリーンで楽しんでいただきたい」と語り、
ムロは「今の時代に生きる人間として、メッセージを込めつつ笑いもあって、いろんな世代に観ていただきたい。笑ってよい時間を過ごしていただける自信がありますので、映画館で楽しんでいただきたいです」と締めくくり、イベントは幕を閉じました。